2022.03.22
親は子どものマネージャー
親は子どものマネージャー

もうすっかり春ですね。
今日は私の子育て体験記を書いてみます。
テーマは「子どもの才能を見つけて伸ばすには」です。

子どもを知ること

うちの次男は、今春から中学生になります。
子どもたちには、何か一つでいいから特技や好きなこと、継続して達成することを持ってもらいたいと思い、やりたいといったことは何でもやらせてきました。

しかし、この次男。

水泳も、剣道も、書道も、ダンスも続かない。
公民館レクリエーションなんか、お友達とケンカしてもう来なくていいと言われる始末。
音感もリズム感も…う~んだし。宿題はテキトー。九九も覚えない(涙)

勉強も含めて、努力してコツコツ続けるのが不得意な子でした。

そんな次男が3年生のとき、戦艦バトルのゲームにハマりました。
最初は、「またゲームかよ!」とうんざりしていた私ですが、そのうち、戦艦の種類だとか名前だとか、各部の名称を細かく語りだしたのです。

ヒントになるようなアイテムを探す

子ども用に戦艦の詳しい本は少なく、それならばと、大人向けの戦艦雑誌やムックをプレゼントしてみました。
そういった専門書を読み漁っていくうちに、どの時代にどういった性能の戦艦ができたとか、時代背景から戦艦を考えるようになりました。

3~4年生の頃に読んでいたシリーズの一部

それならばと、「好きな戦艦を自分なりに記録していったら?」とWordの使い方を教えました。

すると、戦艦の名前のファイルが増えるにつれ、国名や近代史に興味を持ち始めました。
どうやら、戦艦の名前は地名がつけられていることが多いことから国名と場所を覚え、戦艦のプロフィールから戦艦の作られた年、どの戦争で活躍したか、どこでどうして沈没or破壊されたかなどを知り、詳しく調べているうちに世界近代史が自然と頭に入ってきたらしいのです。

それならばと、近代史系の本をプレゼントしました。
そこから、社会主義と共産主義、民主主義、戦争と国の変遷に興味を持つようになりました。
もう、学校の先生も知らないような補足を授業中に語るくらいに。

5年生のころにプレゼントした本の一部

国際社会に興味を持つにつれて、語学にも意欲的になりました。

それならばと、ロンドンへ連れて行ってみました。
写真は、朝のカフェで一緒になったドイツ人のMitoさん。

ロンドンのカフェで


学校の先生らしく、日本人の子どもの話を聞きたいと言っていました。
そんな経験から、小学校卒業までに英検2級に合格するという目標を達成しました。

マネージャーの立場に徹する

題名に返りますが、私は、子どもの良きマネージャーでいるように努めています。
指導者であってはならないと思っています。

子どもの興味があることを察知して、その方向の先にあるアイテムを渡してみる。
その反応でさらに先の興味の方向が見えてくるので、じゃぁ、こういうのはどうだ?と新たなアイテムを渡してみる。


近似値の方向性を探る感じですかね。
でも、それを手に取るかは、子ども次第です。

子どもが自分の力で手に取れたり、知ることができるのは狭い範囲です。
それを「キミが興味があるそれは、こんなカタチもあるんだよ」と選択肢を並べてあげられるのが大人です。


「好き」は知識に。知識はプロに。

私も、こうした子育てを最初からやっていたわけではなく、最初の気づきは、次男の一言でした。
並んだ戦艦の写真を見て、種類と名前を次々と言っていく次男に、私が、「よく覚えられるなぁ…九九はあやしいのに…」と苦笑いした時のこと。
「好きなことはね、覚えられるんですよ♪」と楽しそうに返事が返ってきました。

この一言が、私の親としての関わり方を変えました。
それまでは、一般的に良いとされていることや習い事をどれか続けてみようとさせていました。
学習面も、みんな当たり前にやってるんだからできる、という意識のもと、頑張らせようとしていました。


けれど、戦艦が好きだから、知りたくて、大人の読む活字も読む努力ができるなら、この子はここから道が開けるのかも、と思いました。

ゲームで始まった戦艦の知識は、世界史、政治、語学、活字の知識に発展しました。

「好き」の延長線上には、「知識」が。
「知識」が増えれば、「プロ」に。
これからの時代、「オタク」であること「マニア」であることが大きな力になると思います。

最近自分で選んだ本

離れたところから見守る

そしてもう一つ大事なことは、アイテムを渡したら、親はいったん離れること。
親の選んだアイテムを子どもに気に入ってもらえなくても、陰で「そうか!違ったかぁ。次考えてみよー!」と、再チャレンジを楽しむんです。
親の価値観で無駄になることを惜しまないことが大事と思います。


ついつい、そばについて、あれこれアドバイスしたくなるけど、それをやると、親の求める正解をやろうとしてしまったり、失敗を恐れて自己肯定感が低くなってしまいます。

最後に

図工キッズの子どもたちの可能性に、どこまで関わることができるかわからないけれど、私はこのような考えの元、みんなに接しています。

次回は、4月の工作のテーマを記載します。

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芸術家と子どもをつなぐ
図工キッズ

※補足:未だに私は1つとして戦艦の分類が分かりません。

私に見えているもの

↓ 次男にはこう見えているそうです