2022.03.23
4月造形教室は「2層のハーバリウム」
4月造形教室は「2層のハーバリウム」

4月の造形教室は、2層のハーバリウムを作ります。

造形教室は、基本、「陶芸」「キャンドル」「ポタリ―」を月替わりで授業なのですが、回数調整のため、4月はハーバリウムをします。

下の層の色は、子どもたちに自分で作ってもらいます。
もちろんお花も、大きなかごに4杯分!!いっぱい悩んでくださいね。
「かわいい、洗練された、大人っぽい、きれい、クール、シック、ポップ、カラフル…」
テーマを決めてデザインしてみましょう。

見本のように、動物のシートを入れることもできます。

ちなみに今後の造形教室は、
5月:陶芸
6月:キャンドル
7月:ポタリ―
を予定しています。

ここからはハーバリウムについての余談を

さて、このハーバリウムは2017年~2020年に大流行したインテリア。
私も、紆余曲折あり、ハーバリウムを作ることになり、2018年に世界文化社さんから出版しています。
この本は実用書としては異例の増刷5刷になりました。

ハーバリウムづくりの教科書

今となっては、2層のハーバリウムも、フワフワ浮いたようなハーバリウムも、普通に世に出ていますが、なんと初めて考案したのが、平山のこの本だったのです。

これは、私がキャンドル作家だったことが大きく影響しています。

新しいデザインを考える

きっかけは、当時のアシスタントが「アトリエのお花を使えるから」という理由で始めたものでした。
「ハーバリウムはお花をビンに入れるだけだから、もっと人と違うデザインにしてみたい」という彼女に、「2層にしてみたら?」と最初は、色水を作って2層にしてみました。

しかし、日にちが経つと、絵の具が沈殿してしまったのです。
それに、考えてみれば、水に花が浸かると腐るから長く持たないことにも気づきました。

ほかに色が付けられるもの…流動性があってビンに注げるもの…オイルと分離するもの…腐らないもの…デザイン性があって…花が脱色しないもの…

まず、水溶性のものは排除して…

油溶性のものでオイルと分離するもの…

そんな風に考えていきました。

本用のロケ撮

そこで、ハーバリウムの花を保存するためのオイルを調べると、シリコンオイルと流動パラフィンでした。
ここで思いついたのが、ゼリーワックスというキャンドル材料です。

ゼリーワックスは、一言で言うと流動パラフィンに樹脂を加えて固形にしたもの。
これなら、条件を全部クリアできると思いました。

ゼリーワックスとシリコンオイルの組み合わせなら、同じ油溶性ながら原料が違うので、お互いが親密になることなく、くっきりとした層になり、色も流出しないわけです。

また、同じ原料であるゼリーワックスと、流動パラフィンオイルなら屈折率が近いことから、浮遊するお花のハーバリウムを作ることができました。

そうして、写真のような実験を繰り返しながら、新しいデザインと本が広まりました。

最後に

知る人ぞ知る趣味の世界の話ではありますが、1つのものが出来上がり、広がるには多くのエピソードや過程があります。
近いうちに、本を作るということについても、書いてみたいと思います。
今では簡単に情報が手に入り、購入者が感想をネットにあげるのも普通ですね。
だからこそ、知ってもらいたい作り手たちの想いなんかを書きたいなと思います。

では、ハーバリウム第一弾、難しいことは抜きに、楽しんで作りましょう!